2009年5月20日水曜日
レトロフューチャーメカ、スチームバード(1)
さて、久しぶりの投稿になりますが、今回は、レトロフューチャーデザインのメカニックをご紹介したいと思います。
このメカニックは、蒸気ジェット(ロケット)機です。推力を得るしくみは、断続的な水蒸気爆発を発生させる、という設定にしています。もっとも、そのような原理で、ロケットを飛ばすことなど、まったくの不可能事なのでしょうが、蒸気機関を発明した当時の人々は、この機構をさらに発展改良させていけば、やがては、空を飛ぶ機械も作れるに違いないと、夢を膨らませたのではないかと思います。
レトロフューチャーとは「懐古趣味的未来」という意味ですが、その世界観は「現在とは異なる技術体系を持つ異世界」という定義付けも成り立つのではないかと思います。このメカは、そんな夢想の世界の産物であり、よって設定も自由に、ということで、蒸気ロケットという設定にしました。
このメカニックは、見ての通り一人乗りで、実験的な意味で作られた機体という設定です。実用性はほとんどなく、航空レース競技などに使われる、スペシャルマシンということにしています。離陸は主に専用のカタパルトを使って行い、着陸は胴体下部に収められた簡易着陸脚(橇状のもの)を下ろして、半ば強引に着陸する、ようになっています。きちんとしたランディングギアをもたないため、移動時や待機時は、冒頭の画像のように、専用の台車に乗せられています。
翼は、アームによって上下に駆動するようになっており、蒸気駆動によって鳥のように翼をはばたかせ、揚力を得るという設定になっています。ただ、この揚力はあくまで補助的なもので、低速時や離陸時に使用する、という設定にもなっています。
このメカは、もともと、昔の葉巻型F1のように、エンジン部分が露出するメカを作りたい、という思いから、製作をはじめました。
ですから、よくも悪くも、リアビューがもっともビジュアル的に映えるようなデザインとなってしまっています。デザインスケッチもリアからのものしか存在しません。
ボディは真鍮のようなテクスチャを持つ軽合金で作られており、各所はリベットによって接合されています。レトロフューチャーなガジェットに、リベットは欠かせないアイテムです。
私のレトロフューチャーメカの特徴は、目に相当する部分がついていることです。このメカにも、前部ボイラの点検口(廃熱口)という設定で、目がついています。レトロフューチャーなガジェットは、どことなくユーモラスな雰囲気を出したいと思っているので、このような部分を、いつも付けるようにしています。
さて、次回は、このメカのディティールについて、さらにくわしくご紹介したいと思います。
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