2010年2月25日木曜日
レトロフューチャーシップ マーリン(1)
今回は、前回とは打って変わって、レトロフューチャー路線のメカをご紹介することにします。今回登場のメカは、蒸気機関を用いて飛行する大型船「マーリン」です。マーリンとは、カジキという意味です。
このメカは、日露戦争時の戦艦である、三笠や、スワロフなどをイメージソースに、デザインしました。この時代の戦艦は、どれも、どことなくユーモラスなフォルムを持っていて、レトロフューチャーデザインのエッセンスに溢れているように思います。とくに艦首下部の形状は、他の時代にはない特有のもので、レトロ感があふれています。
このマーリンも、当ブログですでにご紹介している、フライングスチームシップや、スチームバードと、同一世界に存在するメカという設定にしています。ですので、駆動、推進システムなどは、同じ技術を用いているということになっています。
戦艦をモデルにしているとはいえ、本メカは兵器ではなく、武装の類いはありません。このメカの用途は、貨客運搬と、長大な航続距離を生かした辺境探査としています。
基本的にこのメカは、オーニソプター(鳥のように翼を羽ばたかせて飛ぶ飛行機)となっていて、甲板に設えられたいくつものアームで、前後計四枚の羽根を駆動させるという機構を持っています。
ですがおそらく、この仕組みだけで揚力を得るのは不可能で、ほかにも、船体浮揚をサポートするシステムが必要かと思われます。そのため、船底に、円形状の部品が露出させることにし、ここを噴射口として、揚力をサポートする機構が翼以外にもある、という設定にしています。
本メカは、その中央部分が動力機構で埋まっており、貨客船と設定するには、いささか苦しいかもしれません。これでは、たいした搭載能力がないはずです。
実際、製作中に、もっと機構の露出部分を少なくしようかとも思いましたが、ビジュアル的な面白さを考えると、複雑な部品の集積はかかせないように思いましたので、このようにしました。
また今回も、私のレトロフューチャーメカの特徴である、顔っぽく見せる造形を盛り込みました。
ちなみに、このメカも、モデリングはShadeで行っています。もっとも、最初のメカデザインは鉛筆によるスケッチで行っています。
ご紹介した各画像は、それぞれ背景を付け、リアルイラスト風にしています。自分としては、灰色に煙るような曇天の背景って、けっこう好きです。
ところで、こうしたオブジェクトを、当ブログでは、おしなべてレトロフューチャーと称していますが、巷では、スチームパンクといった表現もよくなされているようです。
蒸気機関を取り入れたオブジェクトは、たしかに、スチームパンクといったほうが適当なのかもしれませんが、私としては、レトロフューチャーという言葉のほうが、よく馴染んでいるため、今後も、この言葉を用いていきたいと思っております。
さて、次回は、このメカの細部について、くわしくご紹介いたします。
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