2008年1月26日土曜日

歩行する機械を考える(3)



「歩行する機械を考える」、も、今回で三回目となります。
さて、今回は、前回の記事でも予告しましたように、歩行機械の「脚部」について、ちょっと書いてみます。

近未来、歩行する機械が実際に製造可能となったとしても、整地された路面を高速で移動するためには、当然ながら、「脚」よりも「車輪」が有効なはずです。
車輪を使ったほうが、構造も単純にできますし、なにより効率的です。

ですから、歩行機械が仮に誕生したとても、そこから、車輪という便利で好都合なモノが、排除されてしまうことは、ありえないのではないか、と、私は考えています。

たしかに、歩行機械を専用のトレーラーに乗せれば、高速移動は可能でしょう。
実際、重建機は、現場までトレーラーで運ばれますし、戦車に至っては、専用の超大型トレーラーが存在したりします。
しかし、移動機械が別の移動機械に依存するのも、なんとも不合理な話ではないでしょうか。
よって、たとえ歩行機械といえども「路面では車輪で移動し、不整地では歩行状態になる」というふたつのモードを持つことが、運用を考えた場合、望ましいはずです。

この点を考慮し、私は、メカニクスの各脚の先にタイヤをつけてみました。
このタイヤが高速移動を成しとげ、不整地に入ったら、そのまま四本脚で歩行する、という想定です。

ただここで、2050年頃の技術で、長く伸びた脚の先に、動力を持つ車輪をコンパクトに組み込むことは、はたして可能か、という問題がでてきます。
この問題を解決するためには、小型で強力なモーターの出現を待たなくてはならないかもしれません。
ですが、現在でも、インホイルモーターといった技術が確立されており、燃料電池といった、安定した電力確保技術が開発されれば、超小型化された駆動メカニズムというものは、可能になるのでは、と、考えました。




これが、車輪を組み込んだ脚の全景です。
間接を動かす動力も、車輪同様、すべてモーターによってまかなわれているという設定です。
関節ごとに設えられている円筒形の物体のなかに、それぞれモーターが入っています。
油圧駆動ではないため、アクチュエーターや送油パイプなどを排することができ、よって、スマートな関節機構を形作ることができると考えています。
また、この脚は、アウトリガーも兼ね、必要な場合は、機体を安定させる役目も負っています。

車輪を操舵するモーターは、姿勢制御コンピュータにより総合管理されているため、操縦手は、ジョイスティック状のコレクティブコントロールを任意の方向に動かすだけで、自由自在に機体を操ることができます。
もちろん、戦車のような真地回転、超真地回転も可能です。
また、歩行モードに移るさいには、ホイルは完全にロックされ、地面をグリップします。



この先も、もう少し、このメカニクスについて、考えてみたいと思います。

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